こちらでは、このホームページに出てくる野鳥関係の用語の解説を(不遜にも)しています。
筆者よりももっとビギナーの方、たまたまこのサイトに辿り着いた方は、参考にして下さい。
  • 言うまでもなく、内容は書籍などの受け売りです。著作権を侵害するつもりはありません。文責は私、景山にあります。…漢字の読みとか、違ってるのがあるかも。
  • このホームページを読んで頂くにあたり、内容を理解して頂くためだけのものです。全ての用語を網羅しているわけではありません。
  • 野鳥関係の用語は、学者の使っているものを頂いたものもあれば、バードウォッチャー同士の慣用句のようなものもあり、厳密に定義されているものではありません。気楽に使いましょう。

あ行
 
 
 
か行
 

求愛給餌(きゅうあいきゅうじ)
繁殖期に、オスがメスに餌をプレゼントする行動のこと。
ハヤブサなどの猛禽類、モズ、カラスなど多くの野鳥に見られる。どちらかというと気性の荒い種類の鳥に多い。
種類によって、つがい形成の時期に行なう(求婚)もの、交尾の際に行なうもの、育児のころに行なうものなど、多少の違いがある。
メスは餌を受け取る際に、雛が親鳥に餌をねだるような、甘えた声・動作をする場合もある。
卵を抱いていて巣から離れられないメスに、オスが餌を持って来て与える、というパターンもある。

求愛行動(きゅうあいこうどう)
繁殖期に、主にオスがメスに対して行なう動作・行動のこと。
種類によって、首を上下左右に揺らす、体全体で踊る、体をふくらませて大きく見せる、などいろいろなやり方がある。求愛給餌もこの行動の一つ。タンチョウ(鶴)のダンスはテレビなどでも有名。
つがい形成期に行なう(求婚)だけでなく、つがい形成後も交尾の際などによく見られる。

禁猟区(きんりょうく)
銃猟をしてはいけない場所。自然保護区域内とか市街地とか。…逆に言うと、日本国内は基本的に猟をしていいのです。この点を理解していないとキケン。人間、ちょっと前までは自然から直接肉類を手に入れ、武器でもって自然の脅威と戦っていた、ということが分かります。もちろん今はハンターも娯楽派が主流ですが、ちょっと郊外へ行くと、人家のすぐそばでも銃猟をしている人がいることがあるので、要注意。→猟期

コロニー
サギやカモメなどでは、1ケ所に集まって集団営巣する習性がある。その営巣地のこと。
サギのコロニーでは、雑木林全体に夥しい数の白サギが鈴なりになり、壮観であるが、近隣に住む人にとっては、フンや騒音などで迷惑きわまりない存在になる。カワウのコロニーが出来ると、山の木は枯れるわ池の水質は悪くなるわイケスの魚は捕られるわでこれまた大迷惑。このように、コロニーを作る鳥は嫌われる宿命にある。

 
さ行
 
巣立ち雛(すだちびな)
鳥の雛はいきなり巣から飛び立って独り立ちするのではなく、巣を出てもしばらくは、親鳥から餌をもらいながら、飛ぶ練習などをしている。その状態の雛のこと。
以前テレビで見たコアホウドリの雛は、巣立ちする前に、後は頑張れよとばかりに親がいなくなってた。たいへんだなあ。
 
た行
 
地鳴き(ぢなき)
「さえずり」以外の、地味めの声。
さえずりは縄張り宣言とかメスを引き付けるとか、繁殖と直結した鳴き声だが、これに対し地鳴きは年間を通して聞かれる。たいていはチッとかチュンとかピーとか、短くてシンプルな声。鳥を見るのに慣れてくると、身近な鳥なら地鳴きで種類を言い当てられるようになります。

ドラミング
たいていの鳥は繁殖期になると「さえずる」という形で縄張りを宣言したりメスを引き付けたりするが、中には音を出すことでこれに代える種類もいる。この行動をドラミングと呼ぶ。キツツキは木の幹を叩いて「ドロロロ…」とか「コロロロ…」と聞こえる音を出す。キジは翼を震わせて「ブルルル…」と音を出す。
 
な行
 
鳴きまね
カケス、モズなど一部の鳥は、他の鳥の鳴きまねをする。ベテランのバードウォッチャーでも一瞬はダマされるぐらい上手。が、しばらくすると別の鳥の声に変わったり、元々の自分の声を出したりするので、ダマされっぱなしにはなることは少ない。
鳥の声だけでなく、パトカーなどの音をまねたりもする。まねをする理由はよく分かっていない。


縄張り

たいていの鳥は繁殖期に縄張りを持つが、種類によって、面積とか排他性(他の鳥が侵入した時の攻撃性)にかなり違いがある。コロニーを作る鳥だと、縄張り意識はゼロに近い(ように見える)。→冬の縄張り
 
は行

 

繁殖期(はんしょくき)
1年の内で、繁殖にあてられる時期のこと。…って当たり前ですが。
カモ類などだと、初秋に日本に来たころは羽根の色も地味で、なるほど「非繁殖期」ですが、その後秋の間に羽根が派手な色に抜け変わり、つがい形成が始まる→年明けごろから求愛行動・交尾→4月ごろに北の国へ渡り、子供を産む…というわけで、この場合いつが「繁殖期」なのかは解釈次第、ということになります。

ビオトープ
例えば公園の池などを、わざと人の手を加えず放っておくことにより、小さくとも自然のままの生態系を再現したもの。市街地の中などでも、トンボなどの昆虫類の飛来から始まり、意外にたくさんの動植物の住む環境が出来上がる。ちょっと面積の大きいものだと、野鳥の数・種類も多い。

冬の縄張り
たいていの鳥は繁殖期に縄張りを持つが、タカやヒタキ、モズなど一部の鳥は、冬も1羽1羽が(メスも含め)個別の縄張りを持つ。この場合、秋口にも縄張り争いが見られる。

ペリット
フクロウやタカなど、主に肉食の鳥が口から吐き出す未消化物の固まり。甲虫の羽根とか小動物の骨とかが丸く固まっていて、分解すればその鳥が何を食べているのか分かる。
 
ま行
 
 
 
や・ら・わ
 

幼鳥(ようちょう)
たいていの鳥は、巣立ちしてすぐに親鳥と同じ姿になるのではなく、1年〜数年は羽根の色が成鳥(おとな)と違っている。この状態の鳥を幼鳥という。
ただし種類によって幼鳥と成鳥の間に「若鳥」と言われる状態があったりして、定義ははっきりしない模様。
個人的にも、体の大きな鳥などだと、成鳥と色は違っても「幼」という字は似つかわしくない、と思う。

猟期
冬の間、11月15日〜2月15日は猟の解禁日。この時期は、市街地近くの河川敷や農地でも、散弾銃を持ったおじさんがドパーンとやっています。初めて行く場所であれば、そこが禁猟区かどうか確かめる、禁猟区でないなら林や薮には入らないなどの注意が必要。→禁猟区

若鳥(わかどり)
幼鳥とは言えないけれど、成鳥にもなっていない。という状態の鳥をこう呼ぶ場合がある。タカなど、体が大きくて、成鳥になるまでに何年もかかるような鳥によく使われる。
種類によっては、結婚・子育てする若鳥もいるらしい。