桶川耕地


ここは「プチ探鳥地」とは言えません。猛禽などが満喫できます。ただし、
*** ここは禁猟区ではありません!! ***
 猟期(11月15日〜2月15日)にはハンターが散弾銃をぶっぱなしています。林や薮の中に入ると大変危険です。車で移動し、なるべく広く見通しのいい所から観察して下さい。

所在地と概要
 ここは、荒川と入間川の合流点に近い、広大な河川敷です。単に広いだけでなく、雑木林・低木林・草原・荒れ地・水田・麦畑・野菜畑などが入り交じっていて、池や沼、水路などもあります。多様な環境・植生があるためか、いろいろな種類の野鳥を多数観察できます。
  荒川沿いにサイクリングコースを走ると、広い河川敷は、ゴルフ場や野球場になっているか、きれいに整備された田畑になっている(樹木は少ない)か、どちらかなのですが、ここだけは高い樹木が茂っていて、林に棲む鳥と開けたところに棲む鳥を観察できます。

 一応「桶川〜」と名付けてみましたが、実際には桶川市と川島町にまたがっており、上尾市と川越市にも一部かかっています。詳しい場所は、地図(1)をご覧下さい。

 地図でも分かりますが、とにかく広い!です。東西は1キロぐらい、南北は3キロほどあります。交通の便も悪いので、車で行ってそのまま乗り入れるのがいいと思います。

 エリア内の概要は地図(2)を見て頂きたいのですが、おおまかに分けて、
背の高い雑木林が茂っている、エリア(A)
麦畑などの耕地と、木立や林の入り交じっている、エリア(B)
耕地と荒れ地が広がって、視界を遮るものの無い、エリア(C)
があります。


エリア(C)のあたり。写真だと分かりませんが、3キロ先の上流の橋が見える。
ちなみに振り返ると、2キロ先の下流の橋も見えます。

観察できる野鳥
1)冬期
 まず、(A)のエリアは入って行けないので、何がいるか私も知りません。諦めましょう(笑)。命あっての鳥見です。

 楽しめるのは(B)のエリアでしょう。林などから適度に離れた、四方の見通しのいいところで待っていると、いろいろな鳥が現れます。まず、オオタカ、チョウゲンボウ、ノスリがよく見られます。上空の低い所を飛んだり、木立にとまっていることもよくあるので、比較的近い距離で観察できます。耕地には、アオサギ・ダイサギ、カシラダカ、カワラヒワが降りて来ます。チュウヒが飛ぶこともあります。雑木林の林縁には、アカゲラ、コゲラ、モズ、ベニマシコ、シメ、ジョウビタキ、オナガなどが現れます。浅い沼などでは、クサシギ、キセキレイ、セグロセキレイ、クイナなどの他、ヤマシギがいたこともあります。
 (2002年の2月には、ハイイロチュウヒ♀と思われるものも観察できましたが、ただのチュウヒかも。自信なし)
 (2010〜2011年の冬以降、ハイタカらしいのがときどき飛んでいる。)

 (C)のエリアには、ツグミ、ハクセキレイ、ヒバリが大量にいます。一見それだけのだだっ広い場所ですが、四方の空を眺めていると、ハヤブサが出現することがあります。地上にも、よく見るとタゲリがいたりします。

■2010〜2011年、2011年〜2012年
2シーズン続けてコチョウゲンボウ雌タイプが出没。2012年3月にはコチョウゲンボウが雄と入れ替わる。
■2012年〜2013年の冬
コチョウゲンボウ雄とハヤブサのペアが居着く。チュウヒもたびたび登場。
■2013年〜2014年の冬
コチョウゲンボウ雄、ハヤブサをたびたび観察。
■2014年〜2015年の冬
チュウヒが耕地の真ん中の木を常駐場所に採用、時々飛び回ったり狩をしたり。コチョウゲンボウハヤブサはたまに出現。1月、オオタカの求愛飛翔。コミミズク出現。3月、ミサゴが通過。)

  ちなみに各エリアにいくつか大小の池(元荒川含む)がありますが、ハンターの影響か、カモ類は全くいません。ただ、南の端の池では、カイツブリカワセミが見られます。

 猟期以外には、ハンターはいないので、エリア(A)も歩けます。池にはカモ類も来ています。

 また、北隣にはモータースポーツのサーキットやホンダの飛行場がありますが、そのまた北側には大きなアシ原があります(2000年代前半までは大きな池で、ミコアイサなんかがいた)。ここでは2011年12月、コミミズクを観察しました。


エリア(B)はこんな感じです
 
  (A)(B) 境界のあたり
南の端にある池
 

2)春〜夏
 カッコウ、モズ、オオヨシキリ、セッカ、バンなどが繁殖しています。ただしこの時期は、やはり鳥の種類は多くはないです。
  その代わり、エリア(A)の森の中は涼しく、場所によっては下草のカーペットができているなど、冬とは全く違う美しい場所になります。昆虫類が多いのも楽しめます。この季節は鳥を見に行くと言うよりは、お弁当とレジャーシートを持ち込んで、ピクニックついでに鳥の姿を眺めるのがお勧めです。
 
3)春と秋の渡りの時期
  エリア(C)には広い田んぼもあるので、シギやチドリを期待してしまいますが、行ってみるとほとんど姿を見ません。理由はよく分かりませんが、陸稲(水を溜めない)が多いことや、麦と稲の二毛作をしていて、渡りの時期に麦畑になっている面積が広いことなどが理由だと思います。
 しかし、ショウドウツバメの群れが滞在(滞空?)していたりするので、意外な鳥を見る可能性はあると思います。私はこの時期に森の中に入ったことはないですし…。
その他
 しつこいですが、猟期は誤射されないよう、気を付けて下さい。農作業の人や釣り人もいて、ハンターも人を撃たないよう注意しているでしょうから、あまり神経質になる必要はないですが。

 念のため書きますが、私はハンターを敵視するつもりはありません。この場所ではカモとキジはほとんど見ませんが、オオタカは低い所で悠々と帆翔しています。ハンターがルールを守っているということだと思います。

  猟期以外には、農作業の邪魔にならないよう気をつける必要があります。エリア内の道はせまく、小型車1台分しかないので、停める場所を選ぶ必要があります。

 道と荒れ地と耕地の境目があいまいなので、間違って耕地を踏み荒らさないようにしたいものです。素人には空き地に見えても、実は種がまいてある、といった場所もあります。

 エリア内の道はほぼ全て未舗装で、ぬかるみや深いワダチがあります。私はここでは車の底を擦るのは仕方ないと思って走ります。愛車ドレスアップ派の方はやめた方が…(^ ^;)

 トイレは当然ながらありませんが、北側に隣接している「ホンダエアポート(飛行場)」まで行くと、トイレや売店があります。

 


HOMEへ