ついでのフィールドノート

2016年7月10日(日) AM 6:50〜9:50
さいたま市西区


6:50 チョウゲンボウの巣、もう巣立ってしまったかもと思いつつ着いてみると、2羽の雛がまだいました。

周囲を見ると、屋上の端に1羽巣立ち雛が見え、その頭上あたりに屋上構造物にとまる母親(とこの時は思った)がいます。
巣の雛はさかんに羽ばたいたりして、屋上の個体も位置を変えたりして、動きはあるのですが、オスが獲物を運んでくるとかは無いまま、静かに時間が過ぎて行きます。飛んだり歩いたりする度に視界から外れるので雛の数をいちいち数えていたのですが、そのうち、母親だと思い込んでいた個体が雛らしいことに気づきました。とまってじっとしていると母親そっくりですが、妙にごそごそ姿勢を変えたり、足元をつついたりする様子が巣にいる雛そのままです。前週までに撮った母親の写真と比べたりして、雨覆いの先端が白っぽいのが幼鳥の特徴と気づきました。
これは6月に撮った母親。他にも、成鳥メスではアイリングが黄色いとか、胸・腹から脛毛にかけてが白っぽいとかも言えそうですが、それらは光線の具合によっては怪しいので、雨覆いの縁が確実そう。
7:49 屋上に突然1羽の幼鳥がとまったので、計5羽の雛が揃ったと思ったのですが、他を見ると巣にいる雛が1羽減っていました。確実ではないですが、今、巣から出て来たようです。
結果、視界内の雛は引き続き4羽。両親はまったく登場していないと思われます。

8:00 雛(幼鳥)4羽をずっと眺めていて、意外な様子を観察しました。一見互いに無関心のように距離をおいてじっとしているのですが、1羽が他の雛の近くに飛んで行き、くちばしを合わせたり、互いに毛づくろいのようなことをすることがあります。巣から出たばかりで不安や緊張もある(しかも親はずっと姿を見せていない)ため、それらを和らげるためにスキンシップをとっているように思われました。
 

8:06 餌をねだるときの声がして、親らしいのが帰って来ました。当然親の元に雛が集結すると思ったのですが、なぜか雛たちがいっせいに飛び回り、ちょっとしたパニック状態に。興奮したのでしょうか。おかげで雛の総数(4羽なのか5羽いるのか)が結局わからず。小鳥大のものをくわえて運ぶ雛を見たので、親が獲物を持ち帰ったのは確かだと思うのですが。
幼鳥はときどき飛ぶのですが、スピードは遅く、翼も丸くてチョウゲンボウらしくない。
偶然これだけ見たら、識別に迷うことになりそうです。
9:10 最後に巣に残った1羽が、突然ふわりと飛び立ちました。とうとう巣はからっぽに。
飛び出した雛は目の前のビルの屋上へ。
まだ翼が下がっており成鳥とは雰囲気が違いますが、こうして4羽とも外に出ると、雛というより幼鳥といったほうがしっくりくるような。
その後も親は姿を見せず。どうも、獲物が獲れないのではなく、自立を促すため給餌を減らしているように思えてきました。
 幼鳥は引き続きちょくちょく位置を変えるのですが、それ以外には動きが無くなったので、10:00前に観察終了としました。これから徐々に行動範囲を広げるだろうし、来週はもういないかもな、と思いました。

 

 

 


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