ついでのフィールドノート

2002年1月29日(10:00〜14:45)
桶川耕地

 桶川市にある、広大な河川敷へ。ここは2キロ四方ぐらいある、農地と雑木林と荒れ地が入り交じったような場所です。
 まず堤防上から雑木林の見える所に車を停めると、オナガ、ホオジロ、カシラダカ、モズ、カワラヒワ、コゲラなどがすぐに目(耳)に入りました。あいかわらず鳥のゴッソリいるところだなあ。と思いながら、すぐに車に戻り、走り始める。なぜそのまま歩いて雑木林に入って行かないかというと、ここは禁猟区ではないので、この時期に雑木林や薮の中に入るのは非常に危険だからです。

 最初に、荒川の対岸でカラスが100羽以上も乱舞しているのを発見。ブト・ボソが入り乱れて旋回しています。案の定ノスリが追い回されていました。カラスに追われる猛禽、という光景はよく目にしますが、100対1というのは初めて見ます。しかも、追い払うでもなく、いつまでも旋回しながら四方から追い回している。カラスってこわい。あるいは、ノスリの方でその場所に執着しているのでしょうか。

 さらに泥道を車で進んで行くと、別のカラスの群れ20羽ほどがいっせいに地面から飛び立ちました。これもさてはと思い、上空を見ると、ハヤブサが1羽やってきました。カラスが飛び去った理由はこれでしょうか。いずれにせよノスリと比べて、カラスとの力関係が全く違うようです。ハヤブサのこのスピードでは、カラスもいじめようがないのではと思えます。
 ハヤブサは、北風があるせいか、ほとんど羽ばたかずにアマツバメのように滑空しながら私の頭上を旋回しています。たまに地面近くを獲物を襲うかのように低く飛んだり、また高く舞い上がったり。時に濃いグレーの背中が見えますが、その際には翼角のあたりが日光を反射して白く光る。かっこええ…。
 このハヤブサを数分間見ていましたが、その間にちょっと驚くことがありました。小鳥が1羽、ハヤブサに向かって行ったのです。ハヤブサはちょっと進路を変えていったんこの小鳥を避けるようにしましたが、すぐに反転、逆襲しました。小鳥もこの攻撃をよけ、ハヤブサも深追いはしなかったのですが、ハヤブサがまた小鳥とは違う方向に向きを変えると、小鳥はもう一度ハヤブサを追ったのです。スピードが違うのですぐに離されてしまいましたが。
  いったいこの小鳥の行動はどういうことなのでしょう。空中でサクッと捕らえられてもおかしくない状況です。ムクドリ・ヒヨドリなどは猛禽に対して集団でモビング(威嚇)をすることがあるそうで、私もチョウゲンボウがムクドリに周りを囲まれているのを見たことがありますが、たった1羽でもそのようなことをするのでしょうか。しかも、種類は分かりませんでしたが、大きさはスズメほどの小鳥でした。体型からすると、(気の強い)モズではないようでしたが…。

 さて、さらに車で進んでいくと、空中で何かが静止しているのが目に入りました。微動だにせず停まっているので、遠くのヘリコプターかと思ったほどですが、双眼鏡で見るとノスリでした。体の色で、先程の個体とは別とわかります。向い風を利用しているのでしょうが、全く羽ばたかずに空中に静止している様は、ちょっと不思議。スピードはなくてもこういうテクニックはあるということでしょうか。

 このあと、チョウゲンボウ♂の他、オオタカ若&成鳥を観察。ノスリも更に数回見ました。そのうちの2羽は、仲良く2羽並んで帆翔していました。早くもつがい形成???

 他に見たのは、クサシギ、サギ(アオ&コ)、カイツブリ、ハト(ド&キジ)、アカゲラ、セキレイ(ハク&セグロ)、ツグミ、ヒヨドリ、ベニマシコ、シメ、スズメ、ムクドリなど。ヒバリはぐぜっていました。

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