ついでのフィールドノート
2024年10月17日(木)
隠岐 海士町

 妻さんとコロナ後初めての旅行へ。2泊3日で、以前から行ってみたかった隠岐に向かいました。
 早起きして羽田から出雲へ、そこでプロペラ機に乗り換えて隠岐空港へ。西郷港の資料館を見てから12:05、海士町(中ノ島)へのフェリーに乗りました。
 青空と断崖の風景を眺めつつ、ハヤブサなどを期待しましたがハシブト、トビのみ。やがて島後と島前の間の広い海に出ましたが、そこでオオミズナギドリらしいのを見かけました。
島後の海岸
オオミズナギドリ?

 13時過ぎに海士町の菱浦に到着、お昼ご飯を食べてから、レンタカーで移動を開始。
 最初の目的地は明屋海岸、東側の海に面した、溶岩の固まった赤黒い崖。海岸の遊歩道には波がかぶっていましたが、濡れないよう気をつけつつ有名な「ハート岩」を見てきました。ここでもハシブトが数羽飛んでいたほか、ウグイスの地鳴きが聞こえていました。  
明屋海岸
 隠岐の中でも有名な景勝地ですが、他には海を眺めている単独の旅行者らしい方が2人だけ。平日に来た甲斐がありました。

 次は、近くにある式内社の宇受賀(うづか)命神社へ。海に近い谷戸のようなところで、田んぼに囲まれて佇んでいました。他には誰もいません。
宇受賀命神社
 
2箇所でゆっくりしたので宇受賀命神社を出る時には16時になりましたが、帰り道に隠岐神社があったのでそこにも寄りました。やはり貸し切り状態。戦前にできた新しい神社だそうですが、敷地に奥行きがあり樹々に囲まれた、良い雰囲気の境内でした。
隠岐神社
 
そのあとは途中で見つけたJAの味わいある建物や建設中の町役場などに寄り道しつつ、今回の宿の「TADAYOI」に到着。野外でBBQをして大浴場のお風呂に入ってから、ドーム状のテントで眠りにつきましたが、物音といえば緩やかな波の音と虫の声、ときどき通る小型船の音だけ。エアコンもOFFでちょうどいい。5室しかないのを、早く予約を取ってよかった…。


2024年10月18日(金)
隠岐 西ノ島町

 朝は宿の周辺を散策。アトリ、ウグイス、イソヒヨドリなど。食事をしていると、目の前にアオサギが来ました。
レインボービーチ
アオサギ
宿の前を通る小型フェリー

 食事後は小さな連絡船に乗って隣の西ノ島へ。現地のレンタカーを借りて、まずは山中の焼火(たくひ)神社へ向かいました。狭い道路をかなり登ってから車を停め、さらに歩行者用の急階段を10分ほど登ると、鳥居があり道が平坦になりました。木漏れ日の当たる場所に花が咲いており、数匹のアサギマダラが吸蜜していました。間近に見るのは初めてかも。
 また社殿手前の倉庫?には、見たことのない、殻の高さのあるカタツムリがいました。後で調べたら、オキマイマイという固有種のようです。
アサギマダラ
オキマイマイ?
たどり着いた焼火神社は大木に囲まれ、巨大な溶岩に嵌ったように建っているのは事前に見た写真の通り、しかし海に向いた斜面にあって本殿には陽が当たっており、予想したよりも明るい境内でした。鳥の方はウグイス、ヤマガラ、ジョウビタキなど。
焼火神社
 境内にあった朽ちた小さな祠、ヤマアカガエル、ヤブヤンマなども見つつ駐車場まで下山。のども乾いたのでまっすぐ海辺に降りました。
ヤマアカガエル
ヤブヤンマ
 
港にある由良比女神社へ。ここで初めてハシボソを見ました(その後も見なかった)。
眺めのいい場所を見つけて(島根鼻公園)お弁当を食べて、国賀海岸へ向かいました。
ハシボソガラス
由良比女神社
島根鼻公園
 
 整備された道路をぐんぐん登って、国賀海岸の最高所、摩天崖のてっぺんへ13時に到着。絶景。牛と馬、それにアマツバメがお出迎え。
アマツバメ
国賀海岸
国賀海岸
 素晴らしい景色ですが、足元の摩天崖を見るには急斜面を降りる(そしてまた登る)しかない。
 30分ほどかけてゆっくり降りて、摩天崖にご対面。高さは257mとのことで六本木ヒルズより高い!
摩天崖
摩天崖展望台の牛
 戻るのが大変なこともあり、ここでもゆっくり休憩。しかし日陰とかベンチとか何も無いので、直射日光を浴びつつ立って牛とトビを眺める。意を決して頑張って登り、30分かけて頂上に帰還(その後、意外と夫婦とも関節や筋肉が痛くならなかった)。途中、ホオジロ、ウグイス、ヤマガラ、スズメなど。
 そのあとは車で国賀海岸のもっとも低い側の展望台まで降りたものの、もう歩く気にはならずベンチでぼんやり。気づいたらレンタカー返却の17時が近くなっていて、ちょっと急いで港に戻りました。
 港に面した軽食屋さんで食事をして、暗くなった町を散歩。港のすぐ裏手に廃校になった小学校らしい木造の校舎と体育館があるのを眺めたりして船を待ち、遅めの時間に宿に戻りました。
 また波の音を聞きながら眠るつもりが、(予報通りに)天気が荒れ始め、強風と雨に。こうなるとテントは雨音はうるさいし強風で揺れるしで、あまり寝られない…。


2024年10月19日(土)
隠岐 海士町

 最終日の土曜日。朝イチの船に乗って空港のある島に向かうつもりで、早起きし荷造りを終えると、野外スピーカーから「荒天のため終日欠航」との放送が…今日は島を出られない=帰れない!うかつにもそんなことは全く予想していなかった。しかも翌日も同じような天気予報で月曜まで滞在の可能性も。宿はもう1泊できることになったので(島外からも来られないので当然ですが)安心しつつ、相変わらずの風雨で外にも出られないので、とりあえず寝る。
 昼過ぎに起きてみると風は強いものの雨は止んでいたので、食事と洗濯(コインランドリー)を兼ねてレンタカーで出かけました。
 まずは山を越えて、名水百選にも選ばれた「天川の水」を飲みに行きました。到着した時に上空を猛禽が飛ぶのを見ましたが判別はできず。オオタカかな?
 続いて式内社の奈伎良比賣(なぎらひめ)神社に向かいましたが、ナビに住所を入れても連れて行ってくれない。ちょっと迷ってから細い道の奥にある神社に辿り着きました。2箇所とももちろん無人、寒くなければゆっくりしたかった。
天川の水
奈伎良比賣神社
 宿に戻る途中の集落で、アトリの群れを見ました。またコインランドリーの前では猛禽2羽が飛ぶのを見ましたが、ハヤブサかな?ぐらいしか分かりませんでした。強風下で暗いと全くダメだな〜。
アトリの群れ
 
 夜になって、翌朝の船は動くことが分かり(隠岐の島へのジェット船は欠航だが本土へ3時間半かけて向かうフェリーは運航)、ひと安心。


2024年10月20日(日)
隠岐 日本海
 
 朝、名残を惜しんで宿の周りを散歩。鵜の中にウミウがいるかもとカメラを向けるも、鳥用の望遠や双眼鏡は家に置いてきたので遠くてよくわかりません。近くに来たイソヒヨドリなどを眺めました。
ウミウ?
イソヒヨドリ
レインボービーチ

 9:50、海士町発のフェリー(船体にゲゲゲの鬼太郎が描いてある)に乗って、鳥取の境港へ向かいました。10:55に知夫里島を出て外海に出ると揺れが大きくなり、船酔いは嫌なので12時ごろから後部甲板に出て、風が強く寒いのを我慢して遠ざかる焼火山をひたすら眺めました。 
遠ざかる隠岐

 すると12:32、甲板の手すりに1羽のジョウビタキがとまりました。知夫里島からは1時間半、本土の境港までは50分という場所です。
ジョウビタキ
ジョウビタキ
 1分も経たずに船首の方へ飛んで行きました。予報では風速10m、波高3mとなっていて、実際にもやや荒れた外海といった状況でしたが、こんなところを単独で渡っていくんだと実感。ただし北東からの風だったので意外と彼には渡り日和だったのかも知れない。

 13:20、無事に境港に到着、タクシーを飛ばして米子空港にたどりついたら、14:45発で羽田16:10着。17時発のバスで18時過ぎには大宮着となりました。
2024/10/17〜10/20
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