ついでのフィールドノート
2022年3月20日(日) 
埼玉県神川町 金鑚神社

 天気が良さそうだったので、以前から行ってみたいと思っていた、埼玉県北端にある古い神社へ。 拝殿はあるが本殿が無く、山をご神体として拝む形になっていて、神社の古い姿が残っているとのこと。 つまりは「無い」様子を「見に行く」という変なことになるわけですが。
 行ってみると飾り気のない静かな境内で、案内図なども無く、ちょっとまごつくぐらい。
金鑚神社 社務所
金鑚神社 拝殿
拝殿(右)の奥には垣のようなものがあるだけで、なるほどすぐに「山」になっていました。
ただ、「山頂」はここから南に伸びる道の先(方角としては西南)にあるのに、
拝殿は東からまっすぐ西を拝むような向きになっていたのが意外だったのですが…。

 麓の拝殿にお参りした後、南の方へ伸びている道へ進んで、ご神体の山に登ってみました。

…と思っていたのですが、後でよくよく調べてみると、ご神体の山は「御室ケ嶽」で拝殿から西の方角にあり、登っていく道は無く、登って行けるのは西南方向にある隣の「御嶽山」でした。 あまり事前にググりすぎると面白くない(他の方の写真満載のブログとか見てしまいますから)ので避けているのですが、現地ではしっかり説明など読んだ方がいいですね(笑
しかし等高線のある地図で見ても、ネットを画像検索しても、「これが御室ケ嶽」というのが見つからず、謎は深まるばかり…。 滋賀の三上山のような、姿形として分かりやすい「山」をイメージしていたのですが、山中という空間、もしくは谷とか鉱脈がご神体としてイメージされている?

 さて、山へ登る道はしっかり整備されていましたが、結構な急傾斜できつい。
 登りきったところの鞍部に東屋があり、一休みしていると、青空をノスリが滑空して行きました。
御嶽山への道
ノスリ

 鞍部の東側に大岩の露出した展望台があり、登ってみると素晴らしい眺望。 北側に男体山、赤城山、榛名山などが並び、手前に神川の流れる平野。 東には関東平野の向こうに筑波山、南側から西側の山も少し離れていて、ぐるりと見渡せるような形になっていました。
 風は強く冷たいのですが日差しは暖かく、アカタテハやニホントカゲが日光浴をしていました。
 ここは神社の奥宮でもあるということですが、もともとはこれも磐座で麓から拝む対象だったのでは…と思ったり。
御嶽山から男体山・赤城山・神川
岩山展望台
ニホントカゲ
 このあと鞍部から西へ、険しい道を御嶽山山頂にまで登りましたが、戦国期に城があったという説明と、有志の方が最近植えたらしい山桜?が咲いているのみでした。
 麓まで降りてから、国指定文化財という戦国期の建築物(多宝塔)を見学。 四角形・円筒形や直線・曲線が複雑に組み合わさった形、急斜面で湿気もありそうな場所に木造建築が数百年さほど傷まずに残っていることなどを見て、天才的な設計者がいたんだろうなあ、と思いました。
多宝塔
 鳥の方は他に、シジュウカラ、エナガ、コゲラ、メジロ、ウグイスなど。
2022/03/20
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